2011、第九への思い。

自身にとって1年ぶりとなる演奏会に参加してきました。

◇第12回新潟第九コンサート
ワーグナー/歌劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より第1幕への前奏曲
ベートーヴェン/交響曲第9番ニ短調 作品125「合唱付き」

・会場 新潟市芸術文化会館(りゅーとぴあ)コンサートホール

・指揮 松沼 俊彦
・合唱指揮 箕輪 久夫
・独唱 S:市原 愛 MS:池田 香織 T:水口 聡 B:桝 貴志
・合唱 新潟第九合唱団
管弦楽 新潟交響楽団

第九は3年ぶり2度目。今回はバスドラ担当でした。


今回の演奏会は、様々な思いが入り混じるものでした。

いつもなら郡山のオーケストラで年2回の演奏会に出演しているのですが、
3月の震災で活動拠点になっているホールが被害を受け、現在も閉鎖中。
練習は他の場所で再開しているのですが、打楽器はホールの建物内にしまったままなので、今も楽器に触ることができません。

先月、新潟交響楽団の演奏会を聴きに行ったときに、郡山を含む被災地のアマチュアオーケストラを支援するための募金を行っていたことを知り、
お礼の言葉とオケの現状を少し綴って置いてきました。
本当だったら直接お礼したいほどだったのですが、なかなかそうもいかなかったので、アンケート用紙のスペースを借りて。

そんな折に、今回の第九の出演要請が。
潟響に所属している大学の後輩から、メンバーが急に出られなくなったので手伝ってほしいと。

ちょうど演奏会でのエピソードがあった直後だったので、
自分が出演することで、もしかすると直接お礼を言うことができるかもしれない。
おまけに演奏会はちょうどクリスマスの日。急な話にも、メンバー探しは難航するはず。
自分が手を挙げることで少しは恩返しができるのでは。
そういった思いもあって出演を快諾しました。

練習を重ね、本番のステージへ。りゅーとぴあで演奏するのは大学オケ引退以来5年ぶり。
話を聞くと、震災で福島から新潟に避難してきた方が合唱団のメンバーとして出演しており、客席にも避難してきた方を数十名招待しているとのこと。
境遇はかなり違うけれども、この第九に寄せる思いを知って、自分もその思いに応える演奏をしたい。そして何より、自分自身がこのステージに立てることへの感謝を伝えたい。
その思いが演奏を強く支えていたように感じます。

本番で一番印象的だったのがアンコールの2曲目。曲は「ふるさと」。
指揮の松沼さんが、客席も一緒に歌いましょうと、客席を向いて振り出し、立ち見が出るほど満員のホールは歌声でいっぱいに包まれていました。
こんなに暖かいコンサートが今までにあっただろうか。
演奏しながら、泣き出しそうになるのを頑張って堪えていました。

今年は本当にいろんなことがあった年でした。
今年は一度も演奏しないで終わりかな、とも思っていたところに巡ってきた今回の演奏会。それは今までないほど特別な時間でした。
来年にはホールが再開し、郡山のオケも来年は演奏会を行うことが決まっているそうなので、
またそれに向けて頑張っていこうという気持ちを新たにしました。


そうそう。今回の演奏会の模様が、新潟に加えて福島と宮城でも放送されるそうです。

BSNラジオ 12/30 PM2:30〜4:00
ラジオ福島 12/31 PM7:00〜8:30
東北放送 12/31 PM7:30〜9:00

年末年始は帰省するので、実家で聞こうか。